7/6再開《音楽xSFxファンタジー戦記》【交響詩】竜の姫と絆のユニゾン ~最強の力は絆の中に。人類に裏切られた天才軍師の俺は六竜姫の激情を調律し和音を奏でて覇道を往く~5サイト33KPV
対話:リリア(王室メイド隊長官) × レヴィア(紅蓮の激情竜姫)
リリア:
ここからは、少し暗く、冷たいお話になります。あの雨の夜、私がヒカル様を断崖から逃がした後、カインの手によって兵器へと作り変えられていく、絶望の1年半の記録です。思い出すだけでも胸が締め付けられますが、この過去から目を背けるわけにはいきません。
レヴィア:
リリア……。あんな卑劣な男の術式に縛られ、自我を奪われながらも、貴女はヒカルへの想いだけで自分を保とうとしていたのね。我は、貴女のその狂気的なまでの覚悟に、心底敬意を表するわ。
リリア:
ありがとうございます、レヴィア様。
私はカインに拾われ、辺境伯の館で軟禁生活を送ることになりました。そこは、カインがヒカル様を支配するために用意した黄金の牢獄でした。ヒカル様の書斎を模した部屋で、私は毎日、あの方の幻影と戦い続けました。
レヴィア:
カインのやつ、貴女のヒカルへの愛をそのまま殺意の燃料に変換するなんて……。思い出すだけで我の炎が爆発しそうだわ!
貴女がどれほどヒカルを愛しく思っても、その感情が殺意にすり替わってしまうなんて、悪魔の所業よ。
リリア:
はい。私はそこで、ヒカル様を殺す私、あの方を守る私、その両方を冷徹に監視する私、そして感情を殺した人形の私という4つの人格に引き裂かれました。毎夜、壁に血文字で己の存在を刻み込み、私はリリアだと必死に自分に言い聞かせていました。
レヴィア:
でも、貴女は抵抗した。右手の親指を折り、番号を暗唱し、舌を噛むという3つの手順で、必死に殺意を抑え込もうとしたのよね。自分の肉体を傷つけてまで、ヒカルへの愛を守ろうとした。その精神力は、我ら竜族の誇りにも劣らないわ。
リリア:
家政婦長のマルタさんの規則正しい配膳手順や、護衛兵長トビアス様の善意に触れながら、私は自分が人間から兵器へと堕ちていく恐怖と戦い続けました。トビアス様の純粋な善意の笑顔を見るだけで、私の手は殺意で震えてしまうのです。食器ナイフで夜盗を無力化した夜、私は自分がすでに普通の人間ではなくなっていることを悟りました。
レヴィア:
マルタの感情を排した手順が、結果的に貴女を救うヒントになったのは皮肉なものね。貴女はその経験から、自分を律するための絶対的な法則を導き出そうとした。それが後のメイド教本に繋がっていくのだから、貴女の執念には本当に頭が下がるわ。
リリア:
そして、ついにカインの最終命令が下りました。私の中に埋め込まれたスイッチが押され、私はヒカル様の元へお迎えに上がることになるのです。この絶望の淵から、私はどのようにしてあの方と再会するのか。それが第1部の終わりとなります。
【第1回(第1話〜第9話)のポイント】
・絶望の軟禁生活: 断崖から落ちたリリアがカインに拾われ、ヒカルの部屋を模した辺境の館で1年半にわたる軟禁生活を強いられる。
・愛の殺意変換: カインの悪辣な術式により、ヒカルへの愛着がそのまま殺意の燃料へと変換される暗殺兵器へと作り変えられていく恐怖。
・自我の崩壊と抵抗: 4つに引き裂かれた人格の中で、リリアは壁の血文字や3つの物理的・精神的対処法を用いて、必死に自分の自我を繋ぎ止めようと足掻く。