句読点 2
左右に開かれている、
チョコレートのような形の扉。
橙色のライトが明るい、
暖かな部屋には、赤い絨毯。
何も置かれていない、
長いテーブルのそばを通る。
温もりのある木の厚み、黒い艶。
揃いの椅子には、
青や緑の刺繍を施した、
金色のクッション。
古く重厚なものは好きだけれど。
真っ直ぐ、歩く。
部屋の奥は、
一面のガラス。
夜が来るのか、明けるのか。
外は青い。
あまり高さのない木々が、
重なる葉を茂らせている。
この庭に背を向けて。
勧められた椅子に座るより。
向こうに行ってみたい。
ガラスには。
自分の姿も、何も。
映り込んでいない。
息で曇りもしない。
ガラスは、自分は。
本当に。
あるのか。
手を伸ばしかける。
部屋の隅で。
緑がかった金色のドレスを着た、
しかめ面の人に。
小言を言われている人々がある。
やっぱり。
座らなければ、
ならないか。
だけど。
長いテーブルの、
空席を眺めると。
憂うつになる。
時間稼ぎのように、丁寧に。
クッションを整える。
どちらへ、逃げ出す。
逃げるなら。
誰も座っていない、今。
開け放たれた扉か。
青い庭か。