句読点 2
小さな部屋
握り込まれる指先と、
一緒に。
その顔を包んでいた、
明るさが。
中心に。
吸い込まれて、
見えなくなる。
扉が閉じたのは、なぜ。
明るさが。
部屋のなかを照らすため。
散り散りになりそうな。
震える、水の玉。
点滅から目覚めて。
熾火は、歩み出る。
氷にならないように。
蒸気にならないように。
やわらかな、暗い炎に変わり。
光をうつすまで。
温める。
扉と熾火と水玉
暗い部屋の扉が。
ばたん、と閉まる音が聞こえて、
辺りは急に明るくなりました。
熾火が見ると。
扉のほうにいる水玉が、
震えていました。
どうしたんだい。
ひどく冷たい息を吐く、
怖いものが。
見えたんだ。
そうか。
さすがは扉だね。
入らせなかったんだね。
うん。
すぐに閉めてくれたよ。
どれ。
僕も。
お役に立てるな。
熾火は長い裳裾を引いて、
いそいそと歩き出しました。
進むうちに。
裳裾は浮き上がり、
柔らかな炎に変わりました。
熾火は扉の前に座ります。
その場所は、ちょうど良い温度に、
水玉を温めることができるのです。
大丈夫。
扉と僕がいる。
うん。
水玉は震えながら頷きました。
しだいに温まると。
白く固まりかけていた、
水玉の中心に小さな光が見えました。
赤い炎と緑色の扉が、
水玉に映っています。
扉は言いました。
水玉。
きみの真ん中は。
もう少しで、もとに戻るよ。
それまで。
しっかり閉まっているから。
よく、おやすみ。
うとうとする水玉のからだが、
温まるにつれて。
部屋のなかは。
やわらかな闇に包まれます。
明るさが、扉を開けて。
外の世界へ戻って行きます。