【外伝】エリシオン日報~英雄(チート)の日常と、それを支える下っ端たちの戦い~【機密順守】
エルフィン・ザ・アネモネアームド
開発コード:EXS-000(試作機は共通で000ナンバー)
全高:20m
フレーム:拡張下半身一体型
動力:高圧縮粒子タンク → プラズマリアクター(旧ブレイズ機から移植)
武装
リニアキャノン×2
腕部機銃
E粒子ブレード×2
サブアーム内蔵小型荷電粒子砲×12
その他武装
マトリクスユニット
粒子偏光装甲
●リニアキャノン
両腕に装備された主武装。高初速の実体弾および粒子加速弾を射出する直線特化型兵装で、長距離からの精密射撃に優れる。
発射時の反動は大きいが、下半身のマトリクスユニットが姿勢制御と反動吸収を担うため、安定した連続射撃が可能。
●E粒子ブレード
高密度E粒子を刃状に形成する近接戦闘用装備。非使用時は肩部に格納されている。
粒子偏光装甲やシールドに対しても一定の干渉力を持ち、接近戦に持ち込まれた際の切り札となる。
●マトリクスユニット
下半身と一体化した大型複合ユニット。大型スラスター、高圧縮粒子タンク、1ダースのサブアームを内蔵している。
機動用スラスターとしての機能に加え、粒子供給と火器管制の中枢を担い、機体全体の出力を底上げする。
●サブアーム
マトリクスユニット内部に格納された補助腕。各アームには小型荷電粒子砲を搭載しており、全方位への迎撃や弾幕形成が可能。
また、粒子の流れを制御することで力場を展開し、簡易シールドとして運用することもできる。多数同時制御が前提のため、操縦難度は極めて高い。
●粒子偏光装甲
力場によって荷電粒子の進行方向を歪める防御装甲。エネルギー兵器に対して高い防御性能を持つ一方、実弾や質量兵器への耐性は限定的。
●動力系と外部給電
開発当初はプラズマリアクターへの依存を避けるため、巨大な高圧縮粒子タンクを下半身へ集中配置していた。後にブレイズが新型コアへ換装された際、それまで使用していたプラズマリアクターが本機へ移植され、出力と機動性が大きく強化された。
ただし、多数の荷電粒子砲と粒子偏光装甲を同時運用するため、リアクター搭載後も粒子消費は激しい。長期戦では味方機とケーブル接続し、外部から高純度のエネルギー供給を受けることができる。
●緊急分離機構
被弾や過負荷によってマトリクスユニットが危険な状態に陥った場合、上半身を緊急分離できる。
分離後はサブアームと大半の粒子容量を失い、姿勢制御スラスター、両腕のリニアキャノン、肩部に格納された二本のE粒子ブレードだけで戦闘を継続する。火力と防御力は大幅に低下するが、損傷した下半身の爆発からコックピットを守るための生存機構でもある。
概要
水色の装甲と巨大な下半身ユニットが特徴的な、大型高性能コマンドスーツ。
開発時はプラズマリアクターに依存せず、高圧縮粒子タンクとマトリクスユニットによって高出力を実現するという、当時としては異例の設計思想が採られていた。
その代償として機体は大型化し、操縦系も極めて複雑となった。特に1ダースのサブアームを含む多重制御は、通常のパイロットでは処理しきれず、完成後は「適合者不在」を理由に封印されていた。
後に、リエン・ニャンパが高い適合性を示したことで再評価され、操縦系と出力配分の再調整を経て正式にロールアウト。
旧ブレイズのプラズマリアクターを移植してからは、機体側がリエンの入力を先読みするかのようにサブアームの反応と同調率が安定。圧倒的な面制圧能力と防御力を併せ持つ特殊機として運用されているが、その性能を完全に引き出せるのは、今なおリエンただ一人とされている。
運用実績
初期調整時の模擬戦では、十二本のサブアームによる弾幕と多重防御で、合体ブレイズとリベルタによる二方向からの攻撃を同時に封じた。
小惑星基地攻略戦では、護衛機と戦闘艦を多角攻撃で短時間に制圧。ストラウスからの外部給電と精密狙撃を組み合わせ、機動要塞バジリスクを撃破した。一方で、高出力戦闘を続けたリエンが限界に達して機能停止しており、機体性能より先にパイロットの肉体が限界を迎える危険性も明らかになった。
その後のノヴァ部隊との戦闘では、リリエル・ブルーとの近接戦でマトリクスユニットを破壊されながらも、上半身を緊急分離して戦闘を継続。E粒子ブレードでリリエル・ブルーの脚部を切断したのち、カーバンクルのプラズマリアクターを貫き、烈火と共にアイリスを救出している。
ギンの一口メモ
「十二本の腕で撃って、守って、敵の隙まで読む。そんな処理を一人のパイロットに要求した時点で、設計としては失敗だよ。だから、長いこと封印されていた。
ところがリエンは、それを自分の手足みたいに扱ってしまった。火力の大きさより、十二の攻撃と防御を別々に考えながら、一つの戦場へ組み立てられることの方が恐ろしいね。
旧ブレイズのリアクターを積んでからは、出力だけでなく制御まで妙に安定した。普通なら動力源を替えれば調整項目が増えるものだけど、炉の側がリエンに合わせているようなデータさえ出ている。
機械に心があるかって? 証明はできないよ。ただ、兵器の部品として扱われてきた子を、今度は機体の方が『相棒』として支えている。そう考えた方が、観測結果にはよく合うね」
ダフネ・ザ・フェニックス
開発コード:EXS009
頭頂高:16m
フレーム:中量型
動力:プラズマリアクター
武装
E粒子ランチャー(バックパック)
レールガン/ガトリングガン(バックパック)
E粒子ハンドガン×2
シールドエッジ×2
脚部粒子開放機×2
その他装備
肩部複合センサーユニット
複合型バックパック
シンクロコア
概要
ダフネは沈丁花のこと。花言葉は「不滅」。
新開発のシンクロコアを搭載し、コックピットから離れることなく遠隔でバックパックを操作できる、ゲイル・タイガー専用の高性能機。
本体と複合型バックパックを別方向から動かすことで、単機でありながら二機一組の挟撃、陽動、相互援護を成立させる。これはゲイルの精密な状況判断と並列処理能力を前提とした設計であり、一般的なパイロットには扱えない。
武装
●複合型バックパック
粒子タンク、粒子推進機、ランチャー、ガトリングガンが一体となった戦闘機型兵装。本体から分離し、シンクロコアを通じて遠隔操作できる。
パイロットは同時に二つの身体を動かすような操作を要求されるが、使いこなせれば本体の正面攻撃とバックパックの側面・背面攻撃を同時に行える。作中ではE粒子ランチャーとガトリングガンを中心に運用され、レールガンを使用した記録もある。
再合体すれば、内蔵した粒子タンクから本体へE粒子と電力を供給できる。本体がオーバーヒートや一時的な機能不全に陥った場合でも、バックパック側の推進器だけで緊急離脱することが可能。
一方、バックパックを破壊されると火力だけでなく推力も大きく低下する。分離中は強力な攻撃手段が増える代わりに、独立兵装を失う危険も抱える。
●E粒子ランチャー/ガトリングガン/レールガン
複合型バックパックに搭載される射撃兵装。ランチャーは大型目標や密集した敵への高出力砲撃、ガトリングガンは無人機やミサイルの迎撃、敵の回避方向を制限する弾幕形成に使用される。
粒子や電力の供給経路を見直したことで、連射性能と運用効率が向上している。いずれもゲイルの弾道予測を活かせるよう、命中精度を重視して調整されている。
戦闘記録にはレールガンを装備した例もあり、任務や敵の防御方式に応じて実弾火器を併用する。
●E粒子ハンドガン
技術の進歩によりライフルより小型化したハンドガン。単発の威力と射程は低いが、小型軽量で連射性能が高い。
ゲイルは左右を別々の目標へ向け、護衛機の排除、ミサイル迎撃、砲口やセンサーなど大型目標の弱点を狙う精密射撃に使用する。
●シールドエッジ
両前腕に装備された攻防一体の兵装。前方へ粒子防壁を展開して砲撃を受け流すほか、出力を刃状に集中させることでE粒子ブレードとして使用できる。
二基を同時展開すれば機動要塞の主砲を正面から受け止めるほどの防御力を発揮する。近接戦では装甲の継ぎ目やリアクターを正確に貫く、ダフネ本体の主力兵装となる。
●脚部粒子開放機
両脚から高密度のE粒子を瞬間的に放出し、急加速、空中での方向転換、蹴撃の威力強化に用いる。
リパルサーリフトと組み合わせることで、中量型フレームでありながら近接戦に必要な鋭い踏み込みを生み出す。
●肩部複合センサーユニット
光学、電磁、熱源など複数の観測情報を統合し、長距離射撃、敵機の追跡、弾道予測を補助する。
本体と分離バックパックの二つの視界を同時に扱うダフネでは、シンクロコアと並ぶ火器管制の中枢でもある。
●シンクロコア
パイロットの精神波を送受信する装置。本体とバックパックにそれぞれ搭載され、通常の通信妨害に左右されず接続を維持できる。
遠隔兵装へ単純な命令を送るのではなく、パイロットの意志と感覚を直接共有するため、バックパックをもう一つの身体として操作できる。ただし、接続が破壊されると遠隔操作は失われる。
本来はルナに搭載され、ファングパックの制御ユニットとして使われる予定だったもの。
●外部給電機能
プラズマリアクターの余剰出力を、接続ケーブル経由で味方機へ供給できる。長期戦では消耗したイノセントを短時間で再充填し、部隊を戦線へ戻す「動く発電所」として運用された。
●リミッター解除と覚醒
ゲイルが機体との同調率を限界まで高めると、ダフネは金色の粒子光をまとった覚醒状態へ移行する。本体、左右のハンドガン、遠隔バックパックの各兵装を同時かつ高精度に制御し、機動力、火力、防御力を一時的に大幅強化する。
覚醒時はシールドエッジと機体全体の粒子出力を統合し、味方艦と周辺部隊を覆うほどの広域防壁も形成できる。
ただし、烈火と兎歌のコクレアシステムのように負荷を分担する相手はいない。初期運用時の安全限界は約一分で、長時間の使用はゲイルの脳と肉体に加え、装甲、冷却系、バックパック、脚部スラスターまで損傷させる。
運用実績
初陣では複合型バックパックを用いてサーペント・ドレイクの死角を突き、バックパック喪失後も覚醒を発動。サーペントと増援のファランクスを連続して撃破した。
東武連邦との決戦では、機動要塞ロンザイの主砲をシールドエッジで受け流し、そのまま中枢へ突入して撃破。さらに味方イノセントへの急速充電、敵艦隊への砲撃、撤退部隊の盾を一機で担った。
地上要塞アラクネとの戦闘では、本体とバックパックによる二方向攻撃で粒子防壁を破壊。直後にオーバーヒートして機能停止しかけたが、バックパックを再接続して緊急離脱した。その後、指向性核融合砲ヘリオスの直撃に対して覚醒し、ウェイバーと共にエピメテウスおよび周辺部隊を守り抜いている。
本国防衛戦では輸送艦を前後から挟撃し、空の補給線を寸断。覚醒後は百機を超える無人機を短時間で撃破したが、機体とゲイルの双方が限界を迎え、脚部スラスターを失って墜落している。
ギンの一口メモ
「ダフネを二機分の戦力と数えるのは、少し違う。正確には、ゲイル一人が二機分の判断を同時に行える機体なんだよ。
正面のハンドガンで敵を動かし、逃げた先へバックパックのランチャーを置く。別々に撃っているように見えて、最初の一発から全部が一つの攻撃になっている。あの計算高さは、機体の性能じゃなくてゲイル本人のものだ。
彼に渡した時は『復讐の力』と言った。でも、ダフネが一番大きな出力を見せるのは、いつも誰かの前に立った時なんだ。兵器の使い道まで計算したつもりだったけど、そこは彼の方が一枚上だったね。
ただし、不滅という名前は壊れないという意味じゃない。倒れても、焼けても、守るものがある限り立ち上がる。ダフネの不滅は、機体よりパイロットの性質だよ」