異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない
「ややこしいことをするんだね」
まだ少し顔色の悪いバルドさんが、焼きりんごをつつきながら云う。「医師」に見立ててもらって、暫くは食事を減らすとのこと。怪我してるのに沢山食べると吐いたりするもんな。あれ辛い。
ライティエさんは南蛮漬けをフォークで突き刺す。「バルドってディファーズ系じゃないの?」
「母方がね。でも、母ははやくに亡くなったし、そちらの親族とは付き合いをしていないから」
「ふーん。とにかく、そういうのをディファーズではやるんだって。信仰告白裁判、って云うのは、信仰告白をしたひとを捕まえて、裁判をした、一連の騒動のこと。あ、なにこれ、凄くおいしい。マオくん天才」
ありがとうございますと返す。南蛮漬けで一番は魚のてんぷらをつけたやつだよね! チキン南蛮は俺からすると二番手。
「どうやってつくるの?」
よくぞ訊いてくれました。
まず、調味液をつくる。お砂糖・お醤油・お酢・お塩。お砂糖は多めがおいしい。ちょっと多すぎかな?くらいいれるべき。それらをバットへいれて、お砂糖とお塩を溶かすようによく混ぜる。
お野菜は、人参の千切り・たまねぎのうす切り・ピーマンの千切りが基本。ピーマンは、綺麗なら種もへたもわたもつかう。そのほうがおいしいから。時期的に入手が難しいとか、好みで別の野菜にかえてもいい。水分の少ないor水分が出にくい、ぱりっとした食感が残る野菜ならなんでもいいと思う。きゃべつとか、セロリなんか。今回は基本三種に、千切りのパプリカ・きのこのソテー・細く切ってかりかりに焼いた油揚げを加え、調味液に浸しておいた。
お魚は、いわしの小さいの。一番好きなのはきびなごだが、生憎市場で売っていなかった。
下処理して、頭と尻尾は残したまま、バッター液をつけてかりっと揚げる。バッター液は、米粉・片栗粉・お水のもの。小麦粉だとふんわりさっくり、米粉・片栗粉だとかりっとざくざくに揚がる気がする。ここは好み。揚げ油は冷窄のごま油。ラードでもいいんだけど、香りがついちゃうから。
魚を揚げるお鍋の成る丈近くに調味液のはいったバットを置いておいて、揚がり次第つっこんでゆく。じゅっ、とか、ちゅっ、と音がすると、大体うまく行ってる。
好みの漬かり具合になったら、お野菜と一緒にお皿に盛りつける。一晩浸しておいてもおいしいし、揚げたてを軽くくぐらせたくらいでもおいしい。
とうとうと語ると、傭兵達の目が点になった。あれ? 話長かった?
咳払いする。「信仰告白ってなんです?」