異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない
四滝伽羅子は苦悩していた。
なんやろうここ。わたし、寝てる?
意識はある。あるのだが、体の感覚に乏しい。なんだというのだろう。どうすればいい?
すーっと(気色の悪い程滑らかに)文字が脳裏に浮かんだ。いや、目の前に出てきたのかもしれない。しかし伽羅子はそのどちらであるかを判断する術を持たない。
職業を選ん木偶ださい
(偏光することは出来ません。よく考えて選んでください!)
???????
伽羅子は、自分は事故かなにかに会って意識を失ったのだ、と考えた。でなくばこんなふざけた夢は見ない。
でも……夢なら楽しむに限る。キャラに迷走して、ゲームもいくらかやっていたし、勝手なら解っている。
ぱっと視野がひらけた、と感じた。ずらずらと文字が躍っている。
一番上に、「商人」、とあった。職業一覧表ということらしい。どれでもいいけれど、アイドルってないのだろうか。
スクロールしていった。スクロールしようとしたらできたのだ。触ったような感覚はなかったけれど。
少し見ていて、解ったことがある。文字をタップし(たと考え)ても、
「ERROR」
と可愛げのない文字列がぱっと表示されるだけ。選べない、ということらしい。
あ。
多分ひとつだけ、色の明るい文字があった。「格闘姫」。姫だって。かわいい。これでいいか。
タップした。ポップアップで説明が表示される。
≪格闘姫≫
・華麗に舞うような武技! 敵をも魅了する圧倒的パワー!!
・武器がなくて桃ん大那し!! 拳で敵をブチのめしましょう!!!
職業加護
≪体力大幅強化≫
・体力に+150%
≪魔力強化≫
・魔力に+50%
≪一撃の拳≫
・武器を装備していない場合に限り、与ダメージに+300%
……あんまりかわいくはない職業みたいだが、拳で戦えるアイドルってかっこいいかもしれない、と伽羅子は暢気だった。だから、なんだか押しの強い文章は気になったけれど、格闘姫を選ぶと決めた。
≪格闘姫≫を選択します。あとから変更できま線画宜しいですか? はい/いいえ
ご丁寧なことだ。伽羅子は、はい、を選んだ。
文章が変わる。
特殊能力を選択してください。残りポイント ????????
(変更することは出来ません。よく考えて洗濯して下さい)
文字化けとか誤字があるけどまあいい。夢なのだから。
明るい文字をさがす。と、明るい文字のなかでも特に光っているものがあるのに気付いた。
≪癒しの力≫
・恢復魔法をつかうにはこれがないと始まらない!
・前衛で戦うあなたにもおすすめ! 小さな怪我なら自分で治そう!
・重ねて取れば、秘めた力が解放される……?!
おすすめスキル、ということのようだ。伽羅子はとりあえずそれを選択する。次は、と、またしても特に光っているものを見てみる。
なやんだ結果、おすすめらしいものを含め、伽羅子は幾つかのスキルを選びだした。
「収納空間Lv.3」、「言語:異世界Lv.1」、「偽装」。結構真面目に、時間をかけて考えたのだ。「言語」というスキルがわざわざ設定されているのなら、それをとらなければ言葉に不自由するのかもしれない、とか。
レベル1だと、日常会話には困らない、とあった。それで充分だろう。収納空間は、なにかものを持っていたら「一撃の拳」が働かないかもしれないと考えて取った。ゲームのインベントリのようなものらしい。ポイントが余っているとかで、レベルが勝手に3になった。
偽装は、おすすめスキルで、あったら便利だと執拗に書かれていた。自分のパラメータを偽れるスキルだそう。取ったほうがいいかなと、伽羅子は日和ったのだ。
特殊能力の取得を終了しますか? はい/いいえ
はい、を選んだ。
≪格闘姫≫選択得点を入手しました!
入手:≪ミントグリーンスカート≫ ≪シフォンのスリーブレス≫ ≪コルクのサンダル≫
格闘姫を選んで正解だったようだ。おまけまでついてきた。
伽羅子は楽しんでいた。なにはともあれ、終わってみれば、ああだこうだと考えるのは楽しかった。
キャラ作成お憑かれさまでした! それではよい??????ライフをお凄しくだ歳!
え?
スタート地点:ディファーズ神聖公国
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