【本編20万字完結】カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜【幕間更新あり】
母上のたんじょう日にひろうしたもぎ試合で兄上に負けてから、僕は毎日、おけいこがない日でも、一人で自主たんれんをがんばっています。
今までは、次期当主になる兄上だけに課せられていた『帝王学』や『領地経営論』のむずかしい勉強も、父上に何度もお願いして、僕もいっしょに受けさせてもらえるようにしたんだ。
だけど――今日の授業中も、兄上ったらまた大きなあくびをして、退屈そうにしていた……。
僕の方がずっと真面目に話を聞いてるし、テストの成績だって僕の方が良いのに。
それなのに、どうして父上も母上も、兄上のことばかり褒めて、可愛がるんだろう。
僕には、いったい何が足りないのかな……。
――もしかして、兄上みたいに『あいきょう』があった方がいいのかな……?
でも、僕は兄上みたいに上手にできない。
どうやって大人に——父上や母上に甘えたらいいのか、全然わからないよ……。