底辺虫系JKの異世界冒険譚
レオンハルトが秒殺され、エクスタがシュン相手に連続で魔法を叩き込んでいる同時刻。
「フハハハハ!どうした竜兵!!威勢が無くなっているようだが?」
「…。」
ギメルは自分が担当する人間の英雄を相手にその様に叫び挑発する。
ソレもその筈、かなりギメルは優勢であった為である。
ギメルの相手をしている者は"デイズ"であった。
しかし所々に白銀色の筋が浮かんだ皮膚に変貌していた。
ソレは人造種特有の特徴の一つである。ヴァイシアに倒された後、デイズはフェネルフィシア国地下のエネルギー源"地造脈"にて復活を遂げそして即座に代用の特有級防具と武具を身に着け復活した造黒色竜と共に戦場に帰還したのだ。
ギメルも目の前の存在がガーディアンであると理解している。
(問題なのはコヤツをどう完全消滅させるか、だな。)
殲滅戦開幕の魔王アリシアが放った一撃に巻き込まれたガーディアンは未だ復活していない。
ソレは単純に跡形もなく消滅させられたせいで地造脈での復元が出来なくなった為である。
それをマザーより共有されていたギメル達、軍団長等はガーディアン対策は一撃で消し去るものと考えていた。
しかし実際には、肉体の消滅は当然として魂の破壊も必要であった。
アリシアの一撃には闇系最上位エネルギー"虚無"が使用されておりその御蔭で魂ごと消し飛ばした為、復活しなかったのである。
そんな事は知らぬ軍団長達は、
「トリュフ殿どうであろう!倒せそうか?!」
「ふむ、存在値でゴリ押せることはゴリ押せるが完全消滅まで追い込めんな、再生能力が異様に高い。」
造黒色竜を相手にするトリュフも苦悶の表情であった。
「完全武装にしたい!一度コイツも請け負ってくれないか!」
「承知!」
トリュフの一言に応じ、竜兵を自分の愛用武器たる特有級:渦薙刀にて真っ二つにすると竜の翼を斬り落とす。
実際弱い。
ギメルの存在値は既に770万、トリュフも存在値666万とSランク上位程度の実力者であった。
基本的に魔族や魔物は人間の同格なら問題なく相手取れるし何なら小物であるとさえ感じる程度には強いのだ。
それでも希有能力「不死体」による不死性は凄まじかっただけであり単純な身体能力だけだと魂まで攻撃できないのだ。
魂への干渉および破壊、それがこの戦いの勝利条件である。
まぁそんな事は当の二人は知らない訳だが…。
(…58等分にしても尚数秒程度で再生するな。はて、どうしたものか。)
と考えつつ更に切り刻む。
「待たせたギメル殿!一旦回避してくれ!」
「心得た!」
ギメルが回避した直後、トリュフが3mはあろうかと言う程の"巨槌"を片手で何度も振り下ろしミンチにしていく。
当然、Sランク上位のパワーで叩き潰され生きて居られるような生物は居ないのだが、やはり、時間は掛かるが再生した。
「めんどくさいにも限度があるな。」
「うむ、恐らく条件付きだ。」
「ならば、精神攻撃か?」
「あるいは、魂か…。」
「魂…。なるほど。」
条件付き:ソレは単純にHPを削りきれば倒せる訳ではなくナニカしらの条件をクリアし尚且つHPを完全に0にしなければ倒せない存在である。
ギメルは、元々強さを求め修行の旅をしていた変わり者であり戦闘技術はヴァイシアの配下となる前から高いのである。
その為、種さえ分かれば後は簡単な作業である。
「我のスキルポイント欄に【破魂属性】なる属性攻撃があった。
恐らくそれなら魂に通る。ポイント欄から探す時間を稼いでいただきたい!」
「承知した。なるべく早く頼むぞギメル殿。MP切れは勘弁したい。」
「承知した。」
ギメルが後方50m程下がるとトリュフは右手に持つ特有級武具:巨槌を持ち直し
左手の
特有級防具:巨城盾を握りしめた。
更に全身には特有級:特有全身鎧を着込んでおりまさしく鉄壁の要塞と化していた。
「コレを使うのは初めてなのだ。練習台となってくれ。」
そう言うと振り上げられた巨鎚は雷光を纏い始める。
白光の天を裂くかの如き雷光と雷鳴が右腕を包み込むように駆け巡る。MPを体外放出し「分配者」以外のもう一つの特有能力にて雷撃に変えているのだ。
五属性を媒介とした特有能力その名は
―――光・雷・王!!―――
ただ一点、雷属性系の攻撃に全振りした特有能力でありその一撃に掛かるアンペアはおよそ1万アンペア、と言う大自然の落雷顔負けの大放激であった。
コレほどの一撃ならば例え再生能力を持っていようともタンパク質同士の結合により、その分解には再生には時間が掛かる。
茹でた卵が生卵に戻らないのと同じ理論である。
「ふむ、俺の1000MPを注ぎこんだ一撃でもやはり沈まんな。」
軽く一瞥し確認したように頷くトリュフ。
「待たせたなトリュフ殿。希有能力「破魂属性Lv1」並びに「破魂耐性Lv1」を獲得して来たぞ。」
「おぉ〜。
ん?耐性があるという事はもしや無効級になれば無効化出来るのか?」
「いや、どうやらこの耐性はあくまで自分が使うものに耐えられるだけなようだな。他者からの破魂攻撃は耐えられないらしい。」
「なるほど。」
「魂破壊可能な攻撃力ではないだろうが、熟練度稼ぎでもあるか。」
「ちなみにそのスキルはどのぐらいのポイント数で?」
「だいたい84万前後で我の168万のスキルポイントを2つで全消費された感じである。」
「コストが高いですな。」
「まぁソレに見合った性能でしょう。」
そう言うとギメルは手に持つ渦薙刀を握り力を込める。
破魂属性と自身のフィジカル、更に特有級固有能力である"竜之力"を発動する。
龍人族の固有能力である竜之力はその名の通りの代物である。
筋肉量と密度が2倍になり鱗はより堅牢になる。
常時発動は出来ないがそれでも上位属性竜よりは遥かに強くなるのだ。
まさしく人の形に近しいドラゴンというような印象となる。
「お、おぉ〜。まさかそれほどの力をお持ちだったとは…。」
何を隠そう竜之力は龍人族から解禁される能力だが、使い方を間違えると自らの身体に自壊させられるからである。
その為、この能力を扱える龍人族は数が非常に少なくとても危険とされているのだ。
「このぐらいコツコツ努力すれば辿りついて当然である!」
そう言うと勢いよく薙刀を振る。
ソレはまさしく閃光であり測りしれない爆風にて相手を消滅させ…。
「…コレでも消し飛ばんか。」
「魂へのダメージは確実に入っていたように視える。あとは」
「あぁ、単純な火力不足であろうな。我のユニークスキルを解禁するのでそちらも肉体の消滅を手伝っていただきたい。」
「無論。」
再び、雷鳴と雷光を纏うトリュフ。
そしてギメルはその鱗の色の通り"水"系の特有能力持ちである。
トリュフ程ド派手ではないが技量だけならかなりのものである。
(血水操作で血流を早くし筋肉への酸素量を上げ、渦薙刀に水属性を付与。更に状態を不安定化させ衝撃と共に爆発させる。)
「爆水貫!!」
「雷潰打!!!」
二人の攻撃が寸部の狂いなく同時に放たれる。
ソレはまさしく奇跡の一撃であった。
ギメルの水は衝撃と共に爆発した、その時トリュフの雷撃と混ざり合い水分解を起こし水、雷についで風の三段属性攻撃が発生し見事に敵を完全消滅させる事に成功した。
「よし!」
「やったなギメル殿!」
「うむ!
って、魔王幹部なのだから我に敬語は不要ではないか?」
魔王を頂点とする階級制度ならば、トリュフはギメルより4階級程は上なのである。
しかし
「今更であろう?
ソレにヴァイシア殿はもはや魔王軍総司令的立ち位置であり俺もその命令下で動いているのだから階級など気にする必要もないだろう。」
「ソレもそうであるな。」
「うむ、階級制度有りでも俺はこのままでギメル殿と交流させて貰う。」
「そうか。では、」
ギメルが拳を突き出すとトリュフも拳に拳を当てる。
グータッチである。
「おつかれ様だ!」
「まだ終わってないがな!」
−−−−−−−−
ヴァイアは肩で息をし茨木童子も息を切らしていた。
目の前には蒼く古風な着物姿の日本刀と西洋剣の二刀流の男が立っていた。
(この男、強い。)
ヴァイアがそう感じる程には目の前の男は強かった。
ステータスの平均値を算出した存在値は約2500万弱と【魔王・勇者級】の存在値であるが、そんなとてつもない存在値が些細に感じる程の圧倒的なまでの"殺傷剣技"。
並の人間ならば立っているだけでもやっとな程の禍々しい力の本流を感じ事実としてヴァイアと茨木童子の二人の剣撃を一歩として動かずにいなして魅せた。
ヴァイア自体、ウガイ教官より教え込まれているとはいえまだまだ達人の域までは程遠く、フィジカルで何とか喰らいついているようなものである。
茨木童子はかなりの歳月剣術を磨いていたようだが片腕というハンデあり、しかも何かこの男と関わりがあるようで未だ全力など出せていない。
「茨木童子さん!この男と何があったんですか!何もないなら集中してください!」
私は思いがけず叫ぶ、ふと我に還ったような目となった茨木童子が語り出す。
「すまない、少し動揺した。
一度作戦を伝えたい後方に下がってくれ。」
ヴァイアは仕方なく後方まで後退する。
案の定目の前の男は追い掛けて来る素振りはない。
舐められていると感じた。
「それで、作戦とは?」
「師匠は相手の殺気を感じ型を変える臨機応変な戦闘法。
つまり攻撃に僅かな殺気が込められていれば即座に反応してくる。」
二人は相談する。
ヴァイアは師匠という言葉に疑問を持ちながらも真剣に聞いていた。
どうやら動きを予測対応されているようだ。
しかもスキルによる補助も無しの純粋な経験則、純粋な技術から来るほぼ確定的な直感である。
厄介にも程があった。
「ならどうします?勝てませんよね?!」
攻撃にほぼ確定で対応ししかもフィジカルも技量も圧倒的格上の存在と殺り合える自信などヴァイアには存在していなかった。
そもそも最上位たるヴァイシア様や他三名、マザーが異常なだけであり基本的に格上と戦っても勝てないなら逃げようと思うのが自然である。
人型化し中途半端に自我を持った弊害ともいえる。
「余は勝てないとは言っていない。まぁ勝率は修行を付けてくれていた時から無かったですがね。」
そんなヴァイアの心配を他所に以外にも茨木童子は前向きであった。
まるでシュンとカカオという古い友人と模擬戦というなの殺し合いをするお母様と同じ目だった。
そんな時
「や!我が愛弟子よ!僕が来たよ!」
「ウガイ教官?!」
みんなの師匠がやって来た。
フィジカル面でも技術面でも隙のないオールラウンダーの怪物である。
「いや〜、ラリアナ様から呼び出されたんだよね!
苦戦してるってね!しかし、アレが例の敵か強いね。」
一瞬で真面目になるウガイは向かい合う。
フィジカル面ならウガイが圧倒的格上であるものの技量面では分からない。
いうなればウガイは器用すぎたのだ。
全てにおいて達人以上に扱う事が出来る器用さ。
しかし弓という一つの技術に費やしたスレイアの弓術よりは劣る。
目の前の男がスレイアと同じその道一筋で生きていた存在であると感じていた。
「さっき師匠って言っていたけど、もしかしなくても同じ流派?」
その問に無言で頷く茨木童子
「なるほど、師匠超え…やっちゃいないよ。」
思いがけない一言である。
ウガイは続けざまに視覚認識共有を発動した。
竜人族であるウガイは名持になった事で究極級の五感が備わっている。
そして同じ流派であり反応は出来るが現状、フィジカル面で対応しきれていない茨木童子の対応能力をウガイからの五感共有にて補助する事で目の前の男に対応するのだ。
現状ならウガイが一番勝率が高いだろう。
しかしウガイは茨木童子の気持ちを直感しアシストに回った。
「多分、チャンスは1回だけそれもガーディアン化しているから魂ごと殺さないとダメだよ。」
ウガイが茨木童子に語り掛けると同時に回復魔法にて全回復した茨木童子が歩き出した。
それに僅かに反応するように目の前の男は向き直った。
「…いきます!」
茨木童子が流れるような自然な動きで刀を抜き一撃を放った。
二天一流・抜刀術―鬼我流―一滅血閃。
「んな!!」
「マジか〜。」
ヴァイアは動きすら視えていなかった更には理解など以ての外である。
ウガイ教官からの補助を受けたとはいえフィジカル面ですら格上の男を上下腕もろとも泣き別れにしたのだ。
ウガイはしっかり一部始終を観察していたが、恐らく長年の癖が彼の敗因であると感じた。
刀は反りがあり片刃である。
肉を斬り骨の間を斬り分ける刃物であり鎧ごと斬るものではない殺しの為の武器であり力はいるが基本的には技術が試される代物。
一方、長剣は真っ直ぐであり両刃。
鎧の上から叩き付ける為、刀よりも硬いのが特徴である。無論肉も骨も切れるが本人の力が必要不可欠な代物といえる。
恐らく彼は長年二刀の刀で戦っていた。
しかし今は何故か刀と長剣であり長剣の使い勝手が本人と合わなかったのか。
刀を振る要領で斬った結果力が足りずそのまま茨木童子がヴァイシア経由で酒呑童子から奪った陽炎王をオリジナルで改変した【緑陽王】によって生じた熱により長剣が溶け見事に真っ二つとなったのである。
「最後、あの時逃がしてくださりありがとうございました。師匠、宮本武蔵様。」
そう言い立ち去ろうとすると男の身体は崩壊した。
魂ごと斬っての解放であったが故に肉体が崩壊し始めたのだ。
しかし崩壊し粒子となった肉体は茨木童子の左腕に集約され新たな腕となった。
二天一流を片腕で行っていた茨木童子の両腕が完全再生を遂げたのである。
−−−−−−−−
核撃魔法:重爆炎撃が矢のように真っ直ぐに対象にとんでいく。
それは一種の自己研鑽魔法であり彼、【核撃の魔道士】ルフェンの最高峰魔法である。
(先程から連発のし過ぎてMPが減って来ているな。頼むからコレで死ねよ!)
その願いも虚しく、目の前の女は一切動かずにグレートインフェルノの直撃を耐え抜いてしまった。
微笑みを強め目の前の女は言う。
「だから言っているでしょう?もうその攻撃では私に傷一つ入れることなど出来ないとね。」
「ふざ、ふざけるなよ?!なんだその出鱈目な再生能力は!!」
反射で問を投げかける。
当然だ、黒闇子エネルギーを使用した攻撃を真正面から受けて再生が追いつく筈がないのだから。
「あぁ、そんな事はいいじゃないですか? せっかく生涯を掛けて研鑽を積んだのでしょう?もっと観せてくださいよ。」
目の前の女はまるで演劇でも観ているかのような対応であった。
あまりの舐めた口調と行動に言葉の綾では無く、本当に逆鱗を逆撫でされているような感覚すら感じる。
自らの力で闇系魔法の系統を生み出し自らの力で上位悪魔を体内に100匹も飼い尚且つソロモンの一柱を退けた魔道英雄である自分が、たかだか煽られただけで怒りに支配される事などあってはならないのだ。
しかも相手は害虫、ゴキブリの魔蟲族であり一般人のようにゴキブリに怯え怒る事など更にあってはならない。
自分は選ばれた魔道士なのだから。
確かに殺戮蜂の噂は広く知れ渡られているがそれはあくまでも最上位個体だからこその被害である。
目の前の個体は上位ではあれど最上位ではない。
そう考えつつしっかりと目を向けると悠然と佇むその姿にはゴキブリらしからぬ気品が感じられる。
さながら人の上流階級の者に仕えるメイドのようであろうか?となると最上位ではないにしても最上位個体の腹心、つまり女王個体であることは間違いないだろう。
女王は先程この空間に閉じ込められる少し前にも見たが少なからず手こずる相手であると感じており油断は出来ない。
そして既に10発は核撃魔法で攻撃したというのにもはや最初の頃よりダメージを負っているような素振りがなかった。
何かしらの能力でダメージが減少していると考えたルフェンはより慎重にこの者と戦闘すべく杖を抜いた。
「喜べ虫けらよ!私がこの杖を抜くのは貴様が三人目だ!」
しかし
「あら?以外といますね。せっかくなら最初が良かったのですけど?」
…またも怒りに飲み込まれそうになる。
よもやここまで煽られるとは思わなんだ。
しかしここで怒りに呑み込まれては名が廃るというものである。
ここは表面上でも冷静さを欠いてはいけない。。
「貴様のその態度あの世で悔やむが良い!死ね!!七芒属核砲!!!」
禍々しい虚無エネルギーが魔法陣を通過し五つの基礎属性である火・地・水・風・雷の五属性に加え光・闇を足した合計七の属性を最上位の闇系エネルギーである虚無を使用し再現した超魔法である。
虚無を使用しているが故に魂への攻撃すら可能となっている最高の一撃でありこの一撃より逃れる術はないと自負している。
事実、"対応策"の無い状態の魔王が喰らえば普通に死ぬ程の性能の攻撃である。
対応策の無い状態ならば。
煙が晴れるとそこには無傷とはいかずとも尚も生き延びている女がいた。
「馬鹿な、どうやって生き延びた!!虚無への対策など神祝子エネルギー以外に不可能だぞ!!」
恐怖と怒りそして好奇心によって彼は問う。
「貴方が今言っていたじゃないですか?神祝子エネルギーを使用した神聖魔法ですよ。
先程、ここへ来る前に相手にしまして、ね。
それで使えるようになったのです。」
何を言われているのか、分からなかった。
魔を介する存在が神祝子エネルギーを媒介とした最高位神聖魔法を受けて耐えたとでも言うのか!?
アレは魔を介する存在は認知すら出来ぬエネルギーであり祝福というなの元に魔を崩壊させるのだぞ?!
ソレを受けて耐えたとでも言うのか?!
「そうそう、言い忘れていました。
私の力は単純です。
あらゆる事象への適応、ユニークスキル「適応王」と言います。
簡単な話、私をほっとくと手のつけられない怪物となるスキルですね。それと虚無子エネルギーとはこういうものですか?」
女は手の平に虚無子エネルギーを生み出した。
まるで黒い球体のように手の上で踊る虚無エネルギー。
ありえない。
再生が間に合うのか?
しかも、完全制御だと?
しかも女は嘲笑うかの如く空いている手で神祝子エネルギーまで操り始めたのだ。
もはや次元が違った。
生涯を掛けて魔法を研鑽して来たものだからこそ分かる。
結局の所どれだけ魔法術式を良くしても、どれだけ魔力効率を上げても結局の所エネルギーの質と量が段違いの者に簡単に追い越されるのだ。
しかも自分が扱いきれない2つの最高位エネルギーを同時に扱うような怪物など勝てる筈がなかった。
「…諦めるのですか?」
「結局私が貴様に攻撃しても貴様にはダメージが通らないどころか更に餌を与えるだけであろう?
ならば意味がないのと少しでも他の者の攻撃でダメージが通る可能性を残したい。
しかし黙って殺されるつもりも無いがな。」
「どうするおつもりで?」
ルフェンは拳を突き出す。
「まだコッチがあるんでのぉ。」
「そうですか。
ではそろそろ殺しましょう。
冥土の土産に教えますが私、「生存王」というユニークスキルを持っておりまして簡単に言えば一度死をキャンセル出来るのですよ。
先程の貴方の一撃に使わざるを得なかった能力です。」
ルフェンはソレを聞き少しばかり気が楽になった。
自分の生涯は無駄ではなかったのだとそう、感じたからである。
「さて、残すはお嬢様とお姉様方ですね。」