小説ルナと月夜タロット ―愚者、世界に至るまで―N2714MM
あらすじ
この作品について
草の匂いと見知らぬ空。目覚めた少女には、名前も、記憶も、生まれた理由すらなかった。
そばに寄り添うのは、まっすぐに揺れる灯りの主。優しく、けれど何かを隠しているようなその声に導かれ、少女は最初のカード――「愚者」を手にする。
「これが、今のお前だ」
崖の縁に立ちながら、それに気づかず前だけを見て歩く旅人の絵。彼女はまだ、自分がその絵と同じ場所に立っていることの意味を知らない。
やがて彼女は「ルナ」と名付けられ、大アルカナの名を冠した二十二の領域を、ひとつずつ巡る旅に出る。恋人、隠者、死神、そして――「世界」。
それぞれの領域で待つ出会いと選択が、名前のなかった少女の輪郭を、少しずつ形作っていく。
これは、何も知らないまま歩き出した旅人が、自分自身を見つけていく物語。
全 22 話
第1話から読む →