小説愛想がないと結婚0日目に離縁されたアラサー…N7205MH
あらすじ
この作品について
「お前のような計算機、我が家には不要だ。離縁だ」
結婚初日に夫から言い渡された言葉は、それだけだった。
宮廷会計士カナリス・ヴァン・ベルクは、一銭の淀みも見逃さぬ実務家だ。だが、その誠実さは「愛想も可愛げもない」と疎まれ、借金のカタとして嫁いだ初日に捨てられた。実家からは「家門の恥」と罵られ、厄介払いとして北の辺境へ送り込まれる。
尊厳を踏みにじられたその夜、彼女の内側で何かが死に、そして目を覚ました。
前世の記憶だった。東の島国で信用金庫の融資担当として中小企業の帳簿を叩き、農家の実家で泥にまみれて働いた、不屈の女としての魂。
「……わかりました。では離縁ということで」
誰の庇護にも依存しない。己の筆と知恵だけで食っていく。
辿り着いた北の果てで、カナリスはサファイアブルーの瞳を持つ野性的な辺境伯グロカールと出会う。彼の領地は代官の横領と杜撰な農法で破綻寸前だった。
帳簿から不正を炙り出し、農地の仕組みを整え、法の盾で自立を確立する。数字は冷たい。けれど、決して裏切らない。
数字を呪文のように嫌う人望の天才と、愛想を捨てた鉄の会計士。冷たい論理が民の心に届くとき、不毛の地は王国の心臓部へと変わっていく。
可愛げを捨てた大人による、ガチの内政・経済自立サクセスストーリー。
全 44 話
第1話から読む →