二十三年前、砂鐘町の夏祭りを砂じん旋風が襲った。赤い時計の下で身動きが取れなくなった十歳の恵梨花は、「銀色の指輪をした謎の男」に救われたと伝えられてきた。その出来事は町の美しい伝説となり、時計は事故発生時刻の午後四時十七分で止められたままだった。 叔母の芙美が亡くなり、三十三歳になった恵梨花は、閉店したBAR SFを整理するため、二十三年ぶりに町へ戻る。店に残されていたのは、銀色の指輪、三十一人分の録音、そして空白の三十二本目のテープだった。 録音を復元すると、一人の英雄による救出として語られてきた五分間に、数え切れない人々の行動があったことが明らかになる。恐怖で動けなかった咲輝、指示を待ち続けた大生、工具を返せなかった航大、誤った記事を書いた弘樹。そして事故当時、恵梨花の手を握り、「ケーキより甘い言葉」をかけ続けていた大輔。 同じ出来事でも、立場が違えば記憶の形も変わる。何もできなかったと思う人が、誰かにとっては命の恩人かもしれない。正しいと思って広めた物語が、別の人の人生を奪っているかもしれない。 やがて銀色の指輪の持ち主と、芙美が隠していた「一生に一度の恋」が明らかになる。恵梨花たちは、伝説の英雄を探すのではなく、語られなかった人生や、語らないと決めた沈黙まで守る道を選ぶ。 止まった赤い時計が再び動くとき、七人は過去を消すのではなく、それぞれの人生に次の一分を刻み始める。
どでかい馬車と何でもできる団員達で、どこに行っても目立つ「移動型万能店アジサシ」。 珍しいもの、貴重なものがある場所へならどこへでも行き、魔物に襲われようとかまわず進む。旅商人と呼ぶにはちょっと規模がでかい気もするけれど、本人たちは一切気にしていない。 世界中を行ったり来たりする、騒がしいけれど楽しい日常の話。 過去三作ほど書いていた長編と同じ世界観の話です。 そっちの話もちょこちょこ出ては来ますが、この話だけでも読めます。 毎週木曜十時更新予定
最弱E級ダンジョンとして目覚めた主人公は、攻略されれば存在ごと消滅する“ロード”だった。 頼れる配下は馬鹿なゴブリンだけ、知識も戦力もゼロ。だが持ち前の観察眼と土壇場の発想で侵入者を退け、迷宮を少しずつ強くしていく。 ロードだけが読める“ダンジョン新聞”や他迷宮との交流を通して成長した主人公は、やがて弱小迷宮の主から、世界を揺るがすSSS級ダンジョンロードへと成り上がっていく。
地方都市の外れに構えた喫茶いしかわ。 古民家カフェのような、ちょっとレトロな店構え。 あまり喫茶店らしくないメニューが豊富なこの店には、いろんなお客さまが訪れる。そう、いろんなお客さまが。 これは、マスターと呼ばれたがる父親とふたりで店を回す石川ゆかりを中心にお送りする、日常の(たまには非日常の)物語。 ◇ ◇ ◇ 途中からだいぶラブコメに寄せてますが、基本的には日常にまつわるお話です。日常の皮をかぶったメルヘンのような気がしないでもないですが、日常なんです。「そんなやつおらんわ」って気分になろうが「どこが日常やねん」とツッコミを止められなかろうが、日常と言ったら日常です。スローライフです。たぶん。 目指せ! 読むビタミン剤! ……というかむしろ箸休めにしていただければ嬉しいです。
*短編版は以下になります。 https://ncode.syosetu.com/n1830mg/ こちらでは上記の短編版の内容をもとに、加筆・修正を行っています。 ※第1話〜第6話が短編部分の内容になります。 ――――― レイドに遅れた俺が向かったのは、攻略組が帰った後の戦場跡だった。 正式サービス開始から2年。 初めて確認された色付き大型モンスター《灰冠竜グラウム》は、すでに討伐された。 報酬交換も終わりかけた、誰も来ない撤収中のインスタンスエリア。 そこで俺はある補給兵と出会い、誰にも拾われていなかったものを探すことになった。 報酬は経験値18。 そして、装備不可、取引不可のワールドユニークログ。 倒されたボスの後にも。 終わったイベントの後にも。 誰にも見つけられないまま、世界にはまだ何かが残っているものがある。 攻略組が帰った後から、俺だけのVRMMOが始まった。 ――――― カクヨム様でも投稿開始しました。
——死ねない者には天国へと至る資格はない。 その昔、自らの記憶と体を複製することで不死身となり、復讐の道を走る青年がいた。 500年前、その青年はある男に敗北し、その男が創った国を長きに渡り支える責務を追うことになる。 現在は王女の家庭教師として過ごしつつ、時には危険な任務にも出かける日々。 そんな穏やかでありつつも刺激的な日々の中に暗雲が立ち込める。 それは、隣国からの戦争の足音だった。 死ぬことができない彼らが幸福を目指す話。
神々と人が生きる世界・常世。 夜の神・夜姫が黄昏都で出会ったのは、自らの「対」である太陽神――世界を照らす最高神・天照だった。 誰にも心を明かさず、ただ世界を照らし続ける天照。 夜姫は彼のもとへ花を運び、神々と笑い、人の営みに触れながら、いつかその隣に立てるよう、夜を統べる神へと成長していく。 夜姫の成長と二柱の絆は、神々が守ってきた秩序を少しずつ揺らし始める。 なぜ夜の神は、太陽の「対」として生まれたのか。 二柱の間に流れた百年は、やがて何を残すのか。 神々と人の世界を舞台に、愛すること、選ばなかった道、取り返しのつかない時間を描く、長い恋と祈りの物語。 ★毎日21時更新 ※拙作の天照は、男神として書いています。 ※なろう版は一部加筆・改稿しています。 ※日本神話をモチーフにしていますが、舞台と設定は独自のものです。 ※幼少期は夜姫の成長を中心に描き、恋愛が動くのは成長後です。
※この作品にはBL・GLが出てきます。主人公は魔王という職業になりますが、あんまり魔王っぽいことはしません。 一話1000字前後と短めです。 FA募集中です。 ―――― 買い物帰りにうっかり異世界に飛ばされた。 キャラ作成を完了しないと動けないらしいので、とりあえずナビに従い職業を選択しようとする。 適職が「魔王」。 魔王って、勇者に討伐されるやつでは? ……大丈夫なのか自分。 三国が鼎立する異世界。 突然東の荒野に降り立った(放り出された)主人公のマオは、魔物に怯え、魔法に驚き、お風呂に入りたいと嘆きつつ、命からがら中立地帯の御山近くへ辿りつく。 魔王であることを隠しての就職に成功し、マオは帰還の手掛かりをさがす為に、この世界の最高学府である御山の下働きになることを目指す。 ―――― 百合とか薔薇とか咲き乱れる予定です。 2019年9月29日05:38から07:25に見た夢と、それ以降二・三度追加で見た夢の内容をほぼそのまま書きます。矛盾があっても夢なので見逃して下さい。 ブックマーク・評価・レビュー・感想待ってます。 ―――― ©2019-2025 弓良 十矢