異世界に飛ばされたら適職が「魔王」しかない
お皿をワゴンへのせる。「セロベルさん」
セロベルさんが戻った。マントを脱いでいる。ネックレスもなくなっていた。
ワゴンをひきわたす。セロベルさんはありがとなと云ってそれを運んでいった。
よし。まかないもつくらないと。
自分、セロベルさん、グロッシェさんの分もつくり終えた。
アーチから食堂を覗く。セロベルさんは居ない。ダストくんとハーバラムさんがご飯を食べていて、こちらに気が付くとにこっとして片手をあげた。「マオ、おはよう。おいしいよ」
「おはよ。なあ、おかわりってしていいの?」
どうだろう。……えっと、原価がそんなじゃないし、いいかな?
ダストくんはオムレツをもうひとつ食べたいらしい。たまごなら安かったからいいや。お皿をひきとり、オムレツをもうひとつつくってのせる。
運んでいくと、セロベルさんが困惑げにしていた。隣にリエナさんが立っている。
ダストくんの前にオムレツのお皿を置いた。「どうぞ。あ、だすとくん、ぱんくず」
「ん?」
「ここ」
腰をかがめて、ダストくんの口の端についていたパン屑をとった。無意識に口へ運ぶ。パン屑おいしい。パン粉にしてフライつくりたい。
ダストくんが赤面した。なにに?
あ、やばい、おなかすいてる。
上体をまっすぐにした。ごはん。こっちのテーブルで食べていいのかな。厨房には、テーブルあったけど、調理用具がいっぱいでせまかったし。
リエナさんが目にはいった。挨拶しなきゃなと考える。「おはようございます」
リエナさんは面食らった様子。顔がうっすら赤い。
「お。おはよう」
「セロベルさん、朝ご飯にしてもいいですか。おなかすいて」
「ああ」
「セロベルさんとグロッシェさんのぶんもありますから……」
後半はほぼ欠伸だ。眠いけどおなか空いた。
厨房へ向かう。お客さんをどう呼び込むか、考えないと。昔はどうやってたんだろう。
「マオ」
セロベルさんに呼びとめられた。停まる。
「はい」
「もうひとり分つくってもらえるか? リエナが、くってみたいって」
「わかりました」
お客さんってこと?
てばやくオムレツを焼き、腸詰めを炙り、チーズをスライスする。包丁は、もともとここにあったものだ。きちんと手入れされていて、錆も浮いていない。グロッシェさんとセロベルさんが、お掃除していたのだろう。
セロベルさんがワゴンを押してきた。リエナさんの分のお皿をのせる。セロベルさんがワゴンを押していった。
これでいいかな?
朝ご飯たーべよ!