召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?
M Mの年末年始と新年会 (中編)
物部かすみは、自分とラハニ・エランと神室霊華にある物を用意した。それは日本の正月の光景に相応しい振袖と小物である。しかも召喚した着物ではなく、本物の着物である。これらはかすみのポケットマネーで購入した物だが、まあM Mの代表であるので、従業員へのボーナスかお年玉の色合いが強いと見ていいだろう。となると、玲はどうなのか?かすみは、
「玲は、自分で買っといてな」
と突き放された。玲は抗議するが、かすみは「そんなん、男物なんて知らんし」である。仕方ないので、玲は羽織袴を自前で調達することになった。代金は後日かすみに請求するつもりであるが、恐らくかすみは払う気ゼロであろう。まあ、玲も金に困るとかは一切なく、彼の預金口座にも数千万円の残高があるので、自腹で買うのは問題ない。だが、やはりかすみの態度に納得がいかないので、しっかりと請求書をかすみに送ることは忘れないようにした。そしてその週末の土曜日は3人で別荘にて夕食を堪能し、露天風呂で体を温めてそのまま各自の離れで長い夜を過ごした。
翌朝6時に、玲とかすみは何時もの習慣でこの時間に起床した。そして玲はそのまま朝風呂を貰いに露天風呂に向かった。一方のかすみはと言うと、そのまま着替えて簡単な化粧をしてからラハニを迎えにアメリカに転移して行った。10分程してからかすみとラハニは別荘のリビングに転移で戻って来た。ラハニは久しぶりの別荘であるが、何やら雰囲気が違うことに気づいた。
「今日はな、4人の新年会をするねんけど、
色々と日本の正月を体験してもらおうと
準備したんやで」
とかすみからの説明を受けたラハニは、胸を躍らせた。そんなラハニの目に飛び込んできたのは、リビングの一角を少し底上げして畳が敷かれ、真ん中にが置かれている光景である。これは、玲が召喚した炬燵だが、掘り炬燵になっているのでラハニも楽に座れるようになっている。そして、「そや、ちょっと待っててな」と言ってかすみは自分の離れに戻り、直ぐにあれを持って戻って来た。
「これはな、ラハニさんへのプレゼントや。
日本で言うところのお年玉っちゅうやつやな」
と言って大小様々な大きさの箱を手渡した。早速ラハニは大きな箱を開けると、そこには
「ウワー!! コレ、キモノデスネ!!」
と感動の声を上げた。そこには色の振袖が仕舞われており、ただし表には鶴や四季の花が幾何学模様で描かれている。そして別の箱には銀地に青や金を散らした帯が収められていた。後は長襦袢と草履、そして髪飾りが別に用意されている。ただラハニは着物を自分で着ることは出来ないが、そこは召喚術師のかすみが着付師を召喚して対応することになっている。そしてかすみはラハニに直ぐ着るか尋ねると、
「カスミサン、マズオンセンハイリマス」
であった。やはりここに来たら先ずは露天風呂に入るべし、と言うことのようだ。
「そや、今やったら玲も朝風呂入ってるわ」
だから玲には気をつけな、と言いながらラハニを見送った。全く何を気を付けるのかは分からないが、ラハニはそのまま露天風呂に向かい、早速湯船に浸かることにした。すると隣から玲が「あれ?かすみか?」と声を掛けてきたので、ラハニは
「レイサン、オハヨウゴザイマス。ラハニデス」
と声を掛けた。玲はもうラハニが来たことにビックリするも、直ぐに
「ラハニさんですか。おはようございます。
今日は楽しんで行ってくださいね」
と声を掛けた。そして2人は日の出までまだ少し時間のある早朝の露天風呂を楽しんだ。その後神室霊華も起きて来てそのまま露天風呂に直行しラハニと一緒に朝の露天風呂を堪能した。そして露天風呂から出た神室霊華がリビングにやって来ると、リビングで動画を見ていたかすみからお年玉の振袖を貰って感動した。それから女性陣3人は早速振袖に着替えることにした。玲も折角なので羽織袴に着替えるために離れに向かった。
各自着替えるために離れに向かってから30分後、再びリビングに集まった4人は、各々の姿を見て感嘆の声を上げていた。
「うーん、霊華さんって、
実は原色系が似合うんちゃう」
「えっ、そ、そうでしょうか、師匠...」
と神室霊華は少し恥ずかしそうにそう呟くが、
「うんうん、やっぱその深紅の振袖に
黒地の帯はええ選択やったな、ははは」
とかすみは自画自賛し出す。に「まあ、外に漏れる心配ないから、ここだけの話に出来るねんけどな」と一応神室霊華のイメージを崩すことは無いということを強調している。
「でも私よりも、やはり師匠の方が素敵ですよ」
「カスミサンノサクライロ、
トッテモオニアイデス」
「うん、確かにかすみのイメージは
何となく春なのかなー」
春眠暁を覚えずだったよな、と「かすみ」=「寝てる」のイメージから少しかすみをディスる様な発言をする玲である。これにはかすみはカチンと来たようで、
「地味ぃ~~な玲さんに
とやかく言われとうないねんけどな~」
と早速マキザッパを召喚して玲をシバキしたのだった。「もう、朝から危ない奴だな!」と抗議するがかすみは知らん顔をする。そんな玲は、黒の紋なし羽織と着物、そして縞模様が特徴のの袴と言うオーソドックスなスタイルとなっていた。そのためかすみとしては、「地味ぃ~~」と評したのだが、神室霊華は
「でも師匠、玲さんのこのスタイルのお陰で、
私達のこの色が引き立つと思いませんか?」
と玲の着物のフォローを行った。確かに玲が明るい色の着物だとすると、自分達と被ってしまい、何やら締まりが悪く感じられる。
「まあ、確かに霊華さんの言うことも尤もやけど、
それで褒めるとこいつ調子に乗りよるねん」
そこをきちんと分からせんとな!、と何やら素直に認めたくないような表現をするのだった。それよりも、
「ねえ、皆さんで記念写真を撮りましょうよ」
と神室霊華の提案で、早速外に出て別荘をバックに記念写真を撮ることにした。別荘が高地に建つこととまだ日の出から間がないからか、外はヒンヤリするが、寒さを気にせず4人は早速4人バージョンを撮影し、その後女性陣3人や2人、そして各自別々に写真や動画を撮ったりと、女性陣は撮影しながら盛り上がった。ちなみに玲は、言われるままにそこに立って写真を撮られたり、カメラマンになったりと忙しく振る舞っていた。