召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?
美少女降霊術師の心霊事件簿10: 妖怪との遭遇 (第3幕)
それよりも、物部かすみは部屋に設置した監視カメラの映像を確認することにした。とりあえず、自分が寝てからの映像を召喚したテレビモニターにビデオカメラを接続して2人で確認することにした。そして日付が変わった午前0時5分になった時、部屋の中に「ミシッ」と言う音が響いたのを確認した。「霊華さんの聞いた音やね?」とかすみが念のため確認し、神室霊華は「はい、そうです」と答えた。そして神室霊華曰くこの後に座敷童子のことを考えたようなのだが、かすみと神室霊華はその画面に映る光景に唖然とした。恐らくそう考えた瞬間だろうか、神室霊華の直ぐ隣に子供の背丈位の何かが現れて、神室霊華の耳元で何やら呟いていたのだ。神室霊華はまさか本当に自分の隣にそのような何かが居たことに驚きを隠せない。特に自分の霊能力で感知できない何かである。果たして自分達はこれに対処できるのだろうか?そんな不安をかすみに吐露すると、
「分からへんけどな、ただ悪意と言うか
害を与えるようには見えへんねんなー」
とかすみが言うように、神室霊華も確かに危害を加えられるというそんな感じは受けなかった。
「そうですね、むしろ遊ばれている
感じかもしれませんね」
と言うように、子供の霊体であればその可能性はありそうだ。だが、これは霊体ではない何かである。その後停止していた映像を再生すると、もう一度その何かが神室霊華の近くに現れ、そして直ぐに消えた。この時も神室霊華は座敷童子のことを考えていたという。だとすると、
「うちも、霊華さんみたいに
座敷童子のこと考えたら
出てくるんかな~」
とかすみが口にしたところで、早速”座敷童子さん出てきて―な”と心の中でそう呟いた。だが
「..................?なーんも聞こえへんけどな、
何でなん?」
かすみは何度か座敷童子を呼び出すが、全く応答はなかった。これって、
「ま、ま、まさか、
人を見てるんちゃうやろな!」
と少し切れ気味にそう呟いた。神室霊華は出来るだけ心配そうな表情を保つが、心の中では「そうなのかな?」と思うようになりつつある。もしここに玲が居たら、間違いなく「かすみ、絶対人を見ているよ!」と強く断言しただろう。その後の展開は、まあ、何時ものようになることは容易に想像された。そしてかすみは、何やら悔しそうな表情をしつつ、念のため
「霊華さん、もう一回呼び出してくれへん?」
と神室霊華にそうお願いした。そこで神室霊華は心の中で”座敷童子さん出てきてもらえますか?”と呟いた。すると、「ふふふふ」と又もや神室霊華の耳元で囁き声が聞こえたのだ。直ぐに、
「しししし、師匠、今聞こえました!!」
と叫ぶが勿論彼女達の目には何も映っていない。念のため監視カメラの映像を確認すると、つい今しがた、神室霊華の傍にそれが現れて直ぐに消える様子が捉えられていた。さてそうなると、
「く、く、くそー、
何でうちはあかんねんなーー」
と叫び出すかすみがそこにいた。そして、
「まじ、座敷童子の奴、
一遍しばかなあかんな!!」
と遂には伝家の宝刀ではないが、マキザッパを召喚して、掌にパンパン叩きつけ出した。神室霊華はビックリして、
「師匠、そんなことしてはダメですよ」
とめるが、興奮状態のかすみにはどうやら通じてないようだ。そのうちかすみは、手当たり次第にマキザッパを振り回すが、当然何も当たらない。その時、”そや、ビデオカメラには映ってるねんな!”と言うことを思い出し、早速左手にビデオカメラを持ちながら画面越しに辺りを見回した。すると、
「おー、あっこにおるやんかー」
と叫ぶやその場所にマキザッパを叩き込んだ。だがかすみのマキザッパは空を切るだけであった。「くそっ」と悪態をつくかすみだが、そんなかすみを神室霊華はただ茫然と眺めているだけである。本来は、神室霊華がかすみをめないといけないのだが、頭に血が上っているかすみは殆ど手が付けられない状況である。それでも意を決して
「か、す、み、さ、ん!」
と大声で区切りながら叫び、続けて
「や、め、て、く、だ、さ、い!」
と叫んだ。かすみは、神室霊華が何やら叫んでいるぞと言うことで一旦追い回すのを止めて、神室霊華に
「霊華さん、どないしたん?」
と平然とそう口にした。”いやいや、あなたのせいですよ”とは神室霊華は絶対口が裂けても言えないため、一度落ち着いてから、
「師匠、そんなに暴れても駄目ですよ。
ちゃんと話し合わないと」
と至極当然のことをかすみに伝えた。かすみは、頭に血が上って見境なく暴れたことに反省しつつ、
「せやけど、あいつ、
何でうちのこと無視するねんな」
とぼやくことは忘れない。そこでまずは神室霊華が座敷童子らしき霊体(?)とコミュニケーションが取れないか試してみることにした。早速神室霊華は
“座敷童子さん、お話ししたいのですが
出来ますか?”
と心の中で呟いた。すると、神室霊華の耳元で「ふふふふ、なーに?」と神室霊華の質問に答えるようにそう問い掛けて来た。早速神室霊華は”座敷童子さんのお名前を教えてください”と尋ねると、「うーん、分かんない」との答えが返って来た。そこでかすみに、今座敷童子の名前を尋ねたが分からないという返事を貰ったことを伝えた。するとかすみは、驚いて目を丸くしながら、
「れ、霊華さん、
座敷童子と会話できるん?」
と尋ねた。すると神室霊華は「見たいです」と頷いた。そして
“座敷童子さん、かすみさんと
お話は出来ませんか?”
と尋ねると「うーん、あのちっこいのは、直ぐ暴れるからいやだ」と拒否して来た。さて、この言葉をそのままかすみに伝えるべきだろうか?もし伝えたら「くそ、誰がちっこいやっちゃ! お前の方がちっこいやろ!」と怒り出して再び暴れるのは火を見るよりも明らかである。かと言って黙っていると、絶対「どうなん?」とせっついて来るし、それに対するかすみを納得させられる答えを持っていない。そこでもう一度
“どうしたら、かすみさんと
お話しできますか教えてください”
と神室霊華は尋ねることにした。すると「うーん、遊んでくれたら考える」と言う答えが返って来た。ただしこの言葉をそのまま信用できるかは分からない。「考える」だけで、結論は「やめた」になる可能性は十分にあるし、その時のかすみがどうなっているかは想像したくないと神室霊華は思っている。だが自分だけで結論が得られる訳ではないので、かすみにそのままの言葉を伝えた。すると、
「ちょっ、何?
『遊んでくれたら考える』って、
散々遊んでバイバイってこともあんねんな!」
とやはりその点を気にし出した。だが、
「まあ、別にええねんけどな。
それよか何して遊ぶねん、
ちゅうことやけど」
まさか「かくれんぼ」はないよな、あと「鬼ごっこ」もどうやっても掴められへんしな、と何やらあーでもない、こーでもないと1人で喋り出した。そのうち、
「霊華さん、結局あのガキ
何して遊びたいねや?」
と遂には座敷童子をガキ呼ばわりし出した。神室霊華としては折角座敷童子から友好的な態度を引き出しつつあると思っていたのに、かすみはそれを台無しにしかねないことを言うので、内心凄くヒヤヒヤしていた。先ずは座敷童子本人に尋ねないと先に進まないので、早速何をして遊びたいのかを尋ねた。すると「うーん、かくれんぼも鬼ごっこもガキの遊びでつまらない」と言い出した。そうなると子供の遊びって他に何かあるのかと考えてしまうが、どう考えても何も思いつかない。すると、「にらめっこがいいな」と提案して来た。まさかの「にらめっこ」とは、神室霊華は予想外の答えに少し動揺した。それよりも、にらめっこと言うことは、姿を現すということになるが、そんなこと出来るのか?その点を確認すると、「大丈夫だよ」と言うのだ。そこで、神室霊華はビデオカメラの画面越しにこちらを見ているかすみに向かって、今の言葉をそのまま伝えた。するとかすみは、
「えっ! それマジなん!」
と驚いて、もう一度「ホンマにマジなん?」と聞き返してきた。そこで神室霊華は本気みたいですよと伝えると、かすみはニンマリし出した。恐らく心の中では”これであいつをしばける!”と考えているのかもしれないな、と神室霊華は想像するが、まさにその通りであった。すると、座敷童子は突然神室霊華の隣で実体を現し始めたのだ。まさか本当に実体化出来るんだ、と神室霊華は感心しながらその様子を眺めている。そしてかすみは、
”おー、何やただのガキやないか!
くそ、ガキの癖に大人を揶揄うとは!”
と心の中で毒づいている。尤も見た目は子供だが中身は...かもしれない。そして、かすみと神室霊華の前に実体化した座敷童子がその姿を露わにしたのだった。
「なあ、霊華さん、
これホンマに座敷童子なんか?
何やろ、イメージが違うんやけど...」
「そ、そうですね。
確かに、座敷童子と言ったら...」
の着物に帯を締めている「和」のイメージが強いのだが、ここに現れた座敷童子はどう見ても
「眼鏡をかけてないコ〇ン君やな、こいつ」
とかすみが表現するように、白いシャツに蝶ネクタイ、半ズボンとサスペンダーのその姿は「和」ではなく、「洋」のイメージが強いと言ったらいいだろう。しかも、かすみの言うようにその姿はそのまま「名探偵コ〇ン」君である。念のためかすみが、「自分、座敷童子なんか?」と尋ねるが、かすみの問い掛けには知らん顔して無視する。
”あれ?聞こえてないんか?”
とかすみは疑問に感じたが、同じ質問を神室霊華がすると「うーん、そう言われたりしますが、分かりません」とはっきりと答えた。
”こいつ、完全にうちをおちょくっとる”
とかすみは顔を真っ赤にして、今にもマキザッパを召喚してしばこうと身構えた。だが神室霊華がかすみの異変を察知して、「師匠、抑えてください!」と必死になって宥めだした。仕方ない、とりあえず神室霊華の顔を立てることにし、早速にらめっこを始めようと提案した。その時、座敷童子が「勝った方は負けた方をシバクことにしようか?」と提案して来たので、かすみは心の中で歓喜の雄叫びを上げた。当然望む所である。早速、かすみ対座敷童子による深夜のにらめっこ対決がここに始まった。