召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?
神室霊華の生誕祭とRINAの歓迎会 (第2幕)
翌朝、何時もの3人は別荘にて美味しい朝食を堪能した後、最神玲と物部かすみは早速神室霊華の誕生日会とRINAの歓迎会用の飾りつけを始める。すると手持無沙汰になってしまった神室霊華が何か手伝おうかとかすみに尋ねるが、かすみは
「そんな、主役本人に手伝わせるなんて、
聞いたことないで!」
ははは、と笑いながら神室霊華の提案を丁重にお断りした。神室霊華は少し寂し気な表情を漂わすも、かすみの言うことももっともであるため、気持ちを入れ替えるために離れに戻って、次の焼物の案を練ることにした。そして玲とかすみはと言うと、飾りつけが終わったところで早速誕生日会と歓迎会に提供する料理の準備を始めたのだった。
午前11時を過ぎた所で、玲は何時ものようにケーキを取りに行くことにした。今回は地元の米野市駅近くのアーケード内に今年の夏にオープンしたばかりの新しい店でケーキを注文している。そこは東京都内でも人気の洋菓子店が出店したとあって、連日店内で飲食をするための行列が出来ていたりする。特にその店は、各パティシエが独自の創作ケーキ作りに力を入れており、玲が今回頼んだのは、その店で人気ナンバーワンパティシエの作る季節のフルーツをふんだんに盛りつけたフルーツタルトのホールケーキであった。そのためにいいお値段がするのだが、玲からすると現状お金の使い道が特にないため、これ位奮発しても全く気にならない。むしろみんなが喜んでくれればそれで満足するのであった。そして何時も米野市に向かう時に利用する転移場所に出向いてから、駅近くのアーケード街に向かった。流石に人気店だけのことはあり、既に店の前には行列が出来ていたが、玲は予約していたケーキを取りに来ただけなので、直ぐに受け取りを済ませてから元来た道を戻り、そのまま別荘に転移して戻って来た。
11時半を過ぎた頃、今度はかすみが2人のメンバーを迎えに行くことになった。まず最初にM M新加入のRINAを迎えに行くために予め電話でこれから迎えに行くことを伝え、彼女が滞在中の福岡市内のホテルに転移で向かった。そして数分後、かすみはギターケースを手にしたRINAと猫のおもちを伴って別荘に戻って来た。続けてかすみは、ラハニにも同じように連絡を入れ、直ぐにラハニの住むシアトルに向かった。
さて、RINAはてっきり美土路神社の玲とかすみが暮らす神職用住宅に向かうものとばかり思っていた。ところが、彼女がやって来たところは、杉材の香りが漂う居心地のいい大きなログハウスであったため、一体ここはどこなのかが気になってしまう。そこで丁度キッチンに居た玲に挨拶しがてら、ここが何処なのかを尋ねた。
「ここはですね、僕らの別荘なんですよ」
と言われた時、RINAは彼らがこんな凄い別荘を持っていることに正直驚いた。だがその後の玲の説明を耳にすると、
“これって、もしかして
召喚術で造ったりして無いよね?”
と疑問に思ってしまい、ついそのことを玲に尋ねたりした。そんなRINAの何やら戸惑う表情を目にした玲は、にこやかな表情で
「一応、ここにある物は全て本物ですよ」
だから安心してくださいと答えたことで、RINAは漸く落ち着いたのだった。そして玲は、早速おもちの為に白猫のにくたまを召喚した。すると大好きなにくたまに会えたからか、おもちは早速にくたまと一緒に別荘内の探検に向かった。
そんな時、かすみがラハニ・カヤンと彼女の息子のタホマを連れて戻って来たため、RINAはその見知らぬ外国人女性も召喚術師かと興味を抱き出した。するとかすみが、ラハニとRINAをそれぞれ紹介するのだが、ラハニはどうやらRINAを知っているという。と言うのも、ラハニよりも夫のロドニーが日本のアニメや映画が好きでよく一緒に見ているらしく、そうなるとRINAの楽曲も多く使われていることから、自然にRINAの曲を口ずさむことがあるのだった。だが、ラハニからすると、まさか本物のRINAが目の前にいるとは思いもせず、てっきりかすみの召喚した偽物かと思ったようだ。するとかすみは、少し頬を膨らませ気味に、でも明るい表情で
「もー、あんな、ラハニさん。
うちもそこまでするほど暇ちゃうで!!」
と抗議するフリをした。するとラハニは一瞬ポカンとするも、直ぐにある映画で使われていた主題歌を口ずさむと、それに合わせてRINAがアカペラで歌い出した。ラハニは、その独特の声と声量を耳にした途端、「ウワーー、ホ、ホ、ホンモノデスネーーー」と叫んで興奮し出した。するとラハニの興奮を耳にしたタホマが何やら不安に感じたのかぐずりだしたため、ラハニはスリングからタホマを抱き上げて早速あやし始めた。
「RINAさん、彼女の子供、
タホマって言う名前の男の子やねんけどな――」
実は生まれながらの召喚術師であることをかすみはRINAに伝えた。するとRINAは驚いた表情で
「えっ、生まれながらの召喚術師って...
私はてっきり後から備わる素質なのかと
思いましたが......」
と言うことをかすみに伝えた。そこでかすみは、丁度タホマの機嫌がよくなったところで、今は母親の手遊びに反応している彼の様子を見せることにした。
「タホマ君の目ぇ見ると何か違うやんか」
「うわっ、オッドアイですか......
かなり珍しいですよね」
とRINAはタホマのオッドアイに驚くのだが、
「玲が言うには、生まれながらの召喚術師は
必ず右目が金色の虹彩を持つんやて!」
しかも男性の召喚術師は召喚術師の父親か母親からでないと生まれてこないことを説明した。ちなみに女性の場合は、そもそも召喚術師になる遺伝子を既に持っているため、それが機能するかどうかだけで決まるということも併せて伝えると、
「えっ、じゃ、じゃあ、
私は偶々召喚術師になった、
と言うか選ばれた、
と言うことなんですか?」
とかすみに尋ねるが、かすみも明確な答えは持っていない。ただし、
「まあなー、うちもそうやねんけど、
RINAさんもそうなるっちゅうと
そうなるねんなー」
と答えるに留めた。そしてタホマが落ち着いた頃合いをみて、ラハニは何時ものように露天風呂に入りたいとかすみに訴えた。そこでかすみは
「RINAさん、この別荘にはな、
うちら専用の露天風呂があんねんけど、
一緒に入らへん?」
とRINAに露天風呂を進めた。RINAはそんな素敵な物があるとは思ってもみなかったようで、興味津々な表情でかすみの誘いに乗ることにした。そしてかすみとラハニとタホマとRINAの4人は、そのまま露天風呂に向かった。そんな彼女達と丁度入れ違いに神室霊華が母屋に戻って来たのだが、母屋には玲以外誰も見当たらないため、不安に思った神室霊華が玲に何かあったのかを尋ねた。すると
「あぁ、かすみ達はね、露天風呂に
今丁度向かったところですよ。
良かったら一緒に入ってきたらどうですか?」
と答えるので、神室霊華は少し遠慮がちに、だが折角なので玲の言葉に甘えてかすみ達の後を追うように露天風呂に向かった。
30分後、女性4人+1人のベビーは母屋に戻って来た。序にかすみは、なぜか少し濡れ気味のおもちを抱えている。どうやらにくたまと一緒に探検していた時に露天風呂にRINAが向かうのを目にして、後を追って来たというのだ。そして恐る恐る露天風呂を覗き込んだりしているうちに、誤って露天風呂に入ってしまったらしいのだが、にくたまのサポートもあって暴れることなく今は落ち着いているというのだ。そして玲は何時ものように彼女達の火照った体を冷やすべく扇風機を召喚した。するとRINAが早速
「まさか、源泉かけ流しの露天風呂があるとは
思ってませんでしたが......
何だか凄く贅沢な感じですよね!」
と感じたことをそのまま伝えた。勿論今の彼女の表情には、温泉に浸かってリラックスしたのか、先程まで漂っていた緊張感がすっかり消えていた。
「ココノオンセン、サイコウデスヨ。
ワタシココニクルト、
カナラズオンセンニハイリマス!」
とラハニも何時ものようにご機嫌である。
「やはり、大人数で入る露天風呂って、
良いですよね、師匠」
とこの日の主役である神室霊華もご機嫌である。
「せやねんな、やっぱ露天風呂って、
大勢で入ってワイワイするのがエエねんなー」
しかも疲れた時にここの露天風呂に入ると疲れが全て吹っ飛んでリラックスできることも併せて伝えた。こうして女性達は温泉に浸かって楽しい一時を過ごして満足したのだった。