召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?
Go to the Space again? (第1幕)
「おー、まだちゃーんとあってんなー!」
と物部かすみはその光景を再び目にしたことで満足して頷いた。一方、初めて目にするラハニ・カヤンとRINAはと言うと、まだその光景が信じられないのか、口を開けたままただ茫然と立ち尽くしていた。だが幸いにも、グレイ仕様のヘルメットのお陰で、そんな間抜け面を誰にも見られずに済んだのは幸いであった。一方でそんな2人を尻目に、かすみは墜落した宇宙船に向かって進んでいった。そして
「おー、まだちゃんと残ってるわ。
うちのサイン!!」
と上機嫌でそのような報告をしてきた。するとサインと聞いたRINAが、
「えっ、えーっ!? そそ、そこにかすみさん、
サインしたんですか?」
と驚きの声を上げたので、かすみはペンで書いたサインではなく、ステッカーを貼ったことを説明した。するとRINAはそれに興味を持ったのか、早速かすみの近くまでやって来た。そして遅ればせながら、ラハニもRINAの後に続いた。すると
「うわっ、ま、まじ、かすみさんのサインと言うか、
これって......」
「暴走族っぽい落書きですよね」とニヤニヤしながらかすみをるように指摘した。そんなRINAの弄りに対しかすみは
「ええねん、とにかくこれはうちのもんや、
言うことが分かればな!」
それで問題ないと胸を張った。するとRINAも何やら面白そうと感じたのか、「私もやってみようっと」と言いながら、その場でステッカーを召喚し、それを張り付けた。だが、
「あっ、RINAさん、普通のアニュラスやと
召喚エネルギーを無駄に消費するからな、
こういう場合は――」
と言って、かすみはバレル型で全く同じステッカーを召喚した。そしてそれをRINAに渡して好きなところに貼ってもらった。
「そうなんですね。これで召喚すると、
確か最初に召喚エネルギーを使うだけ
でしたもんね」
とバレル型の特性を思い出しながらかすみに話しかけた。そしてかすみは、
「せやで、しかもな、もしうちらが死んでも、
誰かが召喚を解除しない限り、
ずーっと残んねん。なんか凄ない?」
「うわー、なんか、凄く壮大な計画っぽい
感じしますよね!」
とRINAは何やらかすみに丸め込まれたように、顔を輝かせていた。そんな時にラハニが
「カスミサン、モシコレ、
アトノヒトタチガミツケタラ、
カスミサンニトドケラレルンデスカ?」
と素朴な疑問を返した。するとかすみは、腕組みをして
「うーん、その時に返されてもなー、
うちは既に召喚できるから、
いらへんねんけどなー」
と呟くが、ふと、「そや、2人とも、これな、召喚できんねんで!」と言うや、2人をその宇宙船から少し遠ざかるところに誘った。すると
「わわ、ほほほ、本当に、
術式が表示されてますね!」
「ススス、スゴイデス。
コレモラッテモ、イイデスカ?」
と2人は興奮した様子でかすみにそう尋ねると、かすみはラハニのもらうという表現が気に入ったのか、声に出して笑いながら、
「そんなん、遠慮せずに
どんどんもらっていけばええねんで。
だーれも、文句言わへんしな!」
と召喚術式を記入することを勧めた。そして満足したところで最神玲と神室霊華の元に戻って来て、次に何をするかを話し合うことになった。やはり月の裏側をもう少し探索したいというラハニとRINAの要望により、そのまま探索を続けることにした。
M Mの5人と2匹は、月の裏側をヘキサグラム型召喚門に乗って飛行中である。最初は、かすみと神室霊華だけが下を覗いて何かを探すかのように楽しんでいた。そのうち、ラハニとRINAも慣れてきたのか、注意しながら召喚門上を移動して、今はかすみ達と同じように下の景色を眺めている。そんな彼女たちに合わせて、玲はスピードを落としてゆっくりと飛行している。ちなみに、猫2匹は、落ちないように固定されている。
そして様々な大きさや形のクレーターを眺めながら飛び回ること30分程経った頃、かすみが「あっ」と声を上げた。玲が
「かすみ、また何か見つけたのか?」
とかすみの声に驚いてそう尋ねると、かすみが「うん、なんか棒みたいなものが突き出てたな」と変なことを指摘した。特殊な地形があるのだろうと想像するのだが、とりあえず、かすみが指摘した場所に戻ってみることにした。だがどこも同じような地形のため、なかなか見つけられない。そのうち、
「そろそろ、僕らの空気が無くなる頃だから、
一度下に降りるね」
と玲が指摘するように彼らのタイムリミットが近づいてきたので、玲は平らになった場所に降りることにした。そして直ぐに神室霊華と猫2匹を伴ってシェルターに転移していった。残されたグレイのコスプレ集団は、高台となっている場所を見つけて、そこに転移した。そして周囲を見渡すことにしたのだが、かすみが直ぐに、「あっ、あれや、あれ、あれ!」とある方向を指さして指摘した。すると確かにかすみの指摘した方向に何かが地面から突き出るように立っているのを目にした。
「ここからだと、1キロくらいですか?」
「うーん、よう分からへんけど、
まあ転移するから問題ないけどな」
「モシカシテ、アメリカグンガ
ダッタリシテ」
「いやいや、軍人のラハニさんが言うと、
冗談でなくなるで!」
はははとかすみは笑いながらそんな会話を楽しんでいると、「お待たせ」と言って玲たちが戻って来た。そこでかすみは早速、見つけた棒みたいなものを2人に教えた。すると玲と神室霊華はそれぞれ
「確かに、何だろうね、塔のように見えなくもないし、
でもやはり隕石の衝突で出来た何かなのかなー」
「でも何だか綺麗に尖っているように見えますが」
と感想を口にするが、それよりも確認のために行ってみようとかすみは乗り気になって皆を誘うので、玲は全員をその近くまで転移させた。