悪役令嬢は世界のバグを修正する
中央の表示が、
静かに切り替わる。
余計な情報は消え、
必要な項目だけが残る。
ACTION
CONTROL / SEAL
単純な指示。
だが、
その意味は重い。
空間にいる全員が、
それを見ている。
異論は出ない。
確認も必要ない。
すでに、
決定は成立している。
上位神官が、
ゆっくりと前に出る。
視線は表示から外れない。
そのまま、
言葉だけを落とす。
「対象を管理下に置く」
短い。
だが、
それで十分だった。
命令ではない。
宣言でもない。
ただ、
“処理の確定”。
対象は排除されない。
消去もされない。
存在は認められる。
だが――
自由はない。
扱いは、
明確に変わる。
個人ではない。
存在でもない。
“管理対象”。
その中にあるもの。
権限。
接続。
それを含めて、
一つの資源として扱われる。
守るのではない。
奪うのでもない。
保持する。
必要な位置に置き、
必要な範囲で制御する。
それが、
この場所の結論。
表示が微動だにしない。
ACTION
CONTROL / SEAL
すでに覆らない。
レティシアという存在は、
この瞬間から、
世界の中での“役割”を失い、
“扱われるもの”へと変わる。
それは、
敵としてではない。
――所有物として。