召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?
Go to the Space again? (最終幕)
無事地球に戻って来たM Mの5人と2匹の猫達は、シェルター内に空気が充填されたところで、シェルターから出てきた。そして各自ヘルメットを脱いで、ついでに猫達をケースから出して、思いっきり地球の空気を胸一杯吸い込んだ。
「うわー、やっぱ、ここの空気が一番ですね!」
とRINAはおもちを抱きながら、思う存分地球の空気を吸い込んでそんな感想を呟いた。一同まさにRINAの言葉通りと大きく頷いた。その後5人は母屋に戻り、早速物部かすみは月でついた餅をキッチンに持って行った。そしてラハニ・カヤンはタホマの様子を見にリビング脇に置かれたベビーベッドに駆け付ける。タホマは先程ミルクを飲んだからか、今はぐっすりと眠っている。そんな息子の寝顔を見つめていた母親のラハニは、息子の額に口づけをした。何事もなく一安心したラハニに向かってかすみは月旅行の感想を尋ねた。ラハニは未だ信じられないという感じでかすみに対して答えている。
一方、もう1人の初参加のRINAに対しては神室霊華がやはり感想を尋ねた。すると
「私も、ラハニさんの気持ちがすっごくわかります。
とにかく今まで体験したことのない世界を
存分に堪能した、と言ったらいいのかな、
でもなんかそれだと安っぽい気がしますね」
と言いながら、いい表現が見当たらずに少し悔しい表情を漂わせていた。と言うのは自分の感じた言葉を歌詞にして歌うRINAからすると、その言葉が出てこないというのは、声を無くすことと同じくらいに悔しいことであり、ある意味敗北感を味わった、そんな気さえするのだった。すると最神玲が
「僕が言うのも何だけど、多分ね、
無理に言葉にする必要はない気がするけどね。
RINAさんなら、感じたことをそのまま
曲に込めたらいいと思うけど」
と玲にしては珍しく何やら心のこもったアドバイスをRINAに伝えた。するとそれを聞いていたかすみが、早速玲を冷かそうとする。
「玲さん、自分の口からそんな
アドバイスが出るとは、世も末やなー」
すると玲は「なんだよ、かすみ。いいじゃないかよー」と口答えする。そしてかすみが何か反論しようとしたその時、玲が「あっ、そうだ!」と叫んだので、直ぐに「なんや、玲。なんか忘れもんでもしたんか?」と玲を不審な目で見ながら問いかけた。すると玲は
「違うよ、かすみ。全く、
そんな発想しかしないのか!」
とかすみを挑発するような発言をするも、直ぐに
「そうじゃなくて、みんな、
一度あのカプセルに入っておいた方がいいよ」
一応念のための措置として医療カプセルでのチェックを受けた方がいいと、玲は訴えた。するとかすみも玲の意見に同意しながら「せやな、まあ大丈夫やと思うけど、念のためにな」と言うことで、一同医療カプセルでチェックすることになった。ただし、ラハニとRINAは医療カプセルなる存在自体を知らないため、玲が詳細は省きつつ、宇宙人からもらったというちょっとした嘘を混ぜて説明した。ただし、厳密には、サモナルド人は地球人からすると 宇宙人 であるため、間違ってはいない。もっとも、この説明で本気で納得したかどうか分からないものの、かすみと神室霊華がそれを肯定する意見を出したことで、ラハニとRINAは半信半疑ながらも医療カプセルで検診を受けることにした。そこで、先にラハニが検診を受けることになったのだが、30分程して戻って来たラハニは、何やら上機嫌というか、絶好調であった。
「カスミサン、レイサン、レイカサン、
スゴクカラダガカルイデス!」
と言いながらその場で踊り出した。だが3人からすると、その気持ちは十分に理解できる。そしてかすみが
「今ならな、ラハニさんの体ん中には、
癌細胞は1個もあらへんで」
と言うと、キョトンとした表情を漂わせる。そして「カスミサン、ジョウダンハイイデスヨ」とかすみの冗談だと思いかすみをジト目で見つめたが、直ぐに神室霊華が「ラハニさん、本当に癌細胞が無くなるみたいなんですよ」と補足すると、途端に目が点になって静止した。恐らく癌細胞がないということに対して、人類は誰も信じられないだろうと推測される。そして一緒にラハニの感想を聞いていたRINAは、思わず「ほほほ、本当ですか?」と尋ねずにはいられなかった。そこで玲が、医療カプセルは失われた組織、例えば手とか足とかをそのまま再生することも可能であることを付け加えると、思わず「宇宙人のテクノロジーって半端ないですね」と呟いた。そしてRINAもかすみに誘われて医療カプセルに入るのだが、やはり30分程すると、明らかに入る前よりもすっきりした表情を漂わせて戻って来た。
「なんだろう、疲れやだるさを
全く感じないんですが。
今までこんな経験したことないんですよ」
と不思議な体験をしたかのように、首を横に振りながらまだ信じられない様子である。
その後少し遅くなったランチをとることになったのだが、ランチのメニューはと言うと、かすみの用意した月でついた餅である。玲が念のために放射線検査をして問題ないことは確認している。それでも誰一人として手を付けようとはしない。やはり何か怪しさ満点であるからだ。するとかすみが
「もう、分かったわ、うちが先に食べてみるな」
と言って一番小さな餅に手を伸ばした。すると玲が
「かすみさん、折角なんで、
一番大きいのにしたら!」
何と言っても主催者だから一番大きいのを食べる権利を持っていることをわざとらしく言ってかすみをった。かすみはそんな玲の挑発にのるほどバカではないのだが、ここでビビると後々玲に何を言われ続けるか分かったものではないため、「ちっ」と舌打ちしつつ、仕方なく一番大きな餅に手を伸ばした。そしてそれをそのままではなく、に巻いてから醤油を少しつけ、そのまま口に持って行った。そして意を決して前歯で少し千切って口の中に入れてそのまま噛み続けると、少しずつ穏やかな表情を漂わせてきた。そして
「おー、結構いけるで。ってそのまんま、
餅やな。ははは」
と上機嫌で笑い出した。ただし、若干もち米の粒が残っているところがあるけど、そこはご愛敬な、と言いながらもかすみは結局完食した。その様子をじっと見守っていた4人は、早速それぞれに餅を手にして、ある者はかすみと同じ海苔餅にしたり、またある者はきな粉につけたりして、それぞれが思い思いの方法で月の餅を堪能した。そして食事中の話題はやはり月旅行である。この時かすみが、
「そう言えばうちら、あのコスプレ宇宙服を
全員持ってるから、何時でも月に行けるな!」
などと語ると、玲は
「かすみ、連れて行くのは僕だからね。
まずは僕に相談してよね」
と少し不貞腐れ気味にかすみにそう抗議した。だがかすみは
「あぁー、そんなんかまへん、かまへん。
うちが行く言うたら、行くねんで」
と全く意に介さない。そんなかすみに対して神室霊華が「師匠、そんな仰ると玲さんに失礼ですよ」とめると、かすみは舌を出して「へへ」と笑って誤魔化した。
食後、残りの3人が医療カプセルで検査を受けた後、念のためにおもちも受けたらと言うかすみのアドバイスに従って、玲は医療カプセルにおもちを連れて行った。最初はかなりビビってしまい、玲の腕から逃げ出してしまうのだが、にくたまに説得してもらって何とか大人しく検査を受けてもらえた。そしておもちもどうやらあらゆる病気が無くなったのか、その後リビングに待つ飼い主のRINAの所に戻るや、早速そこらじゅうを走り回って元気になった自分をアピールし始めた。RINAも嬉しそうにしながら、おもちを呼び寄せると、おもちは大人しく飼い主の所に戻って来た。そして腕に抱かれるや安心したのかそのまま眠ってしまった。するとその様子を見ていたかすみも、思わず欠伸をしてしまう。そして「ちょい、うちも寝てこよーと」と言いながら離れに戻って行った。このかすみの行動を機に各自離れに戻り、しばし休息するのだった。